Mar 23, 2007

この一年で学んだこと。まとめ。

たった一年(実際職場についてからは9ヶ月)しか働いていないから、スキル・知識的なものは全く身に付いていないが、その間、日本の大きな組織に入って感じたこと・学んだ事・疑問に思ったことを最後に書き残しておきたい。

「この一年何を一番学んだか。」部内の送別会をしてもらったとき、課長にこう聞かれた。一瞬戸惑ったが、すぐ答えが浮かんだ。それは“組織”というもの。

私は今まで自由奔放に生きてきた人間なので、決められたルールに基づいて、型にはまったり、みんなで~、集団でするというようなことをあまりしたことがなかった、というか苦手だった。帰国子女だからといいわけしたくないが、やはり海外経験がある人は自分の意見をはっきり言うし、やりたいことを遠慮せず言うから、悪く言えば「自己中」、よくいえば「自分をしっかり持っている」といわれる。それを長所にするか短所にするかは自分次第であろう。

ともあれ、こんな私が伝統的な日本の会社に入ったのだから理解できないことがたくさんあった。
まず驚いたのが入社式。みんな同じ黒いスーツ。式の前に社歌を暗記&練習。全員に支給されたダサすぎる服。毎朝の服装チェック。口の体操。社訓唱和。お辞儀の仕方。350人ほどいるのだから軍隊に入ったのかと思ってしまう。まず、この段階で理解できなかった。「みんなもう大人なんだし常識あるんだから幼稚園児みたいに監視しないでほしい。」のちに、ある部長に靴のピンヒールを注意されたときは本気で嫌気がさした。なんでそんなことまで言われなきゃいけないの?

それから集団生活、営業研修、工場実習を経て配属先へ。営業研修・工場実習は辛かったが、いろんな人々のお陰でうちの会社が成り立っていること、いろんな人の苦労のお陰でお金を稼げていることを肌で感じることができて本当によかった。また、いろんな視点から物事をみることができるようになった。二回目の大きな衝撃は配属先。経理部だった。どっからどうみても私は“経理”ではない。親も友達もそろって「あなたには向いていない」という。なんで?ここで初めて「会社という組織は怖い」と思った。
もちろん上司や人事に理由を聞いてみた。「数字に強い人間を育てたい。数字が分かればどこの部署に行っても強い。また、今の時代経理が一番海外赴任をする機会が多いから海外に興味のある人を集めている。」昔からよく言われているが、日本の会社が求めるものはゼネラリスト。いろんな仕事・部署を経験しながら視野を広げ上に上がっていく。私は海外営業かPR系しか考えていなかったし、エントリーの段階からアピールしていたのでそれを考慮したうえで採用されたのこと思ったが、実際は違った。経理配属10人中、経理志望は2人。その内全くもって興味のない人が5人。こんなんで大丈夫なの?と思うが、なんとかなるのがまた怖いところ。組織というものである。ひどいのは新入社員だけではない。いきなり3日後に違う事業所(つまり転勤)へ異動させられる人がいれば、アメリカから帰ってきたばっかりでやっと日本で家族と落ち着けると思ったら一週間後にタイへ異動命令の人もいる。昇格するかもしれないが、そういう問題ではないと思う。彼の家族はもう海外生活が嫌らしく、タイへは1人で行くそう。などなど、大きな組織になればなるほど、個人的なことを考慮してもらえず、会社の都合で動かされてしまう。確かに、これは理解できる。ここまで大きくなった組織、みんなの希望を聞いているといつまでたっても決まらないし、会社の利益を最優先するのが普通である。また、いろんな仕事を経験した人の方がいろんな角度から物事をみることができ、スペシャリストでは想像できなかったことができるかもしれない。そこで会社に従うか従わないかはその人次第である。私みたいにこのような組織は自分に合っていないと思えば辞めるだろうし、それでいい・出世するには仕方がないと思うのであれば従えばいい。ただ、悲しいのは、やめたい・嫌だと思って働いている人が想像以上に多いことである。でもなんだかんだ言って結局みんな辞めない。会社に従っている。だから組織も成り立つのだ。これが良いか悪いかは分からない。この組織のあり方が自分に合っているか、合っていないかだと思う。ただ、この日本的組織のお陰で日本が戦後強くなったことは事実である。日本人である以上、まして海外に興味がある私にとって、日本の組織を少しでも肌で感じることができたことだけでも、この会社で得た大きな収穫である。もともとこの会社を選んだのも、世界で強い日本の会社に入って日本の企業組織というものを知りたかったからなので、本来の目的は達成できたかな・・?

この他にも日々の業務で疑問に思ったことは多々ある。例えば、ハンコ。何かとはんこ、はんこをうるさい。一つのプロセスでも担当者(私)→係長→課長→部長と確認してはんこを押して次へ回す。一つの決裁を決めるにもいろんな部を回り、はんこをもらって次工程へ回し、結局決裁がおりるのに1週間はかかる。そんなに時間がかかっていいのか?と思い、入った当時課長に質問したことがある。「どうしてはんこはんことうるさいのですか?もっと早く決断した方がいいんじゃないですか?」と。すると「はんこにはきちんと意味があるんだよ。はんこをみると誰が確認したか、誰に責任があるか一目で分かる。責任分担することができる。また、はんを押すことによって個人に責任意識を持たすことができるし、何重にもチェックすることによって回避できる間違いを見つけることができる。」と。確かに自信のないものや不安なものには自分のはんは押したくない。また、大きな組織となった以上、一つの判断が大きなミスにもなりかねないので、複数の人間によっていろんな目線からチェックする必要があるのだろう。


とまぁ、"組織"というものに疑問に思うことが多々あったが、今はそれぞれに理由があり、理解できるようになった。再度言うが、これは良し悪しではなく、自分に合っているか、合っていないかである。日本的組織というものを少しでも体験できたこと、また、それが自分には合っていないことが分かっただけでもこの会社に入ってよかったと思う。

最後にもう1つ、この会社に入って得たもの。それは多くの出会い。同期はもちろん、尊敬できる上司、職場コーチ、部内の人、技術の人、工場の人、いろんな人にお世話になった。この会社は本当に良い人が多いと思う。意地悪な人はいないし、嫌味な人もいない。(もちろん変な人はいるけど)こんなんだからうちの業績が上がらないのかもしれないけど。何もわからない、非常識な私にもやさしく丁寧に教えてくれる会社はそうないと思う。数少ないが、これから一生付き合っていくであろう人にも何人か出会えた。同期はもう同期ではないが、これから彼らがどのように成長し、大きくなっていくのかすごく期待している。いつか雑誌や新聞等に載っている人もでてくるだろう。これからは一消費者として応援しています☆また、職場コーチと課長には心から感謝しています。会社のためではなく、私の事を思っていつも応援してくれ、2人がいてくれたからここまでやってこれた。本当に有難うございました。

2 comments:

Anonymous said...

まゆ
一年間、お疲れ様でした。ブログ、興味深く読ましてもらったよ。同じ日本の大企業と言われている会社で勤務していた者同士、色々話をしたね。まゆの決断は一つの過程として今後の活躍に活かしてほしいと思う。まゆの言う通り、辞めたいと思っているのに、辞めない人ってたくさんいるよね。ていう私も一時は本当にどうしようかと思っていた一人。まゆが決断できたのは、自分のやりたい事がはっきりしていたからかな??私の場合は、まだ今の会社を辞めて何をやりたいのかはっきりしていないし、辞める程まだ努力をしていないと感じてる。辞めても良いと思えるくらい、自分が120%の力を使ってがむしゃらに走ってから辞める決心が出来そう。(ということは、もうちょっと先かな・・・笑)だから、私は今の会社でもうちょっと頑張ってみようと思ってる。ブログにも書いてあったけど、大組織に働いていると、自分のいる場所(組織のどこにいて、自分の行動がどう組織を動かしているのか等)が見えなくて、一つ一つの業務が点でしかなく、線にはならいよね。ましては立体的に見るなんて不可能!!それは経験値というところが大きいと思うし、一年後は今よりも、二年後は一年後よりも見えてくると思う。(善し悪しはともかく)
また、こういう仕事観、人生観、恋愛観といった価値観をまゆと意見交換するの楽しみにしてるよ!!!お互い、「良い女」磨きの途中!!これから、ますます磨くべく、ステップアップしていこうね。

はるこ

☆Mayu☆  said...

はるこ~!
そうだね、はることは仕事・恋愛・人生観などここ数年たくさん話したよね。社会人になってからのはるこの存在は結構大きかったよ。お互い海外志向が強く、大企業で働く女として共感できることもあったし、刺激されることも多々あった。はるこの決断は正しいと思うよ。私なんか何一つ学ばず、なにもわからないまま終わってしまったわけだし、はるこはぜひ後数年働いて点を少しでも線に繋げていってください。そして思ったこと、感じたことを私に教えてくださいな☆ちょっとの間離れるけど、帰ってきたらまたたくさん語って、夜遊びもしようね♪
目指せ"良い女"☆☆